<Header>
<Author: 鄭谷>
<Title: 鷓鴣>
<Format: 格式不明>
<Year: 2002>
<BookName: 唐詩物語ー名詩誕生の虛と実と>
<Translator: 植木久行>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 鷓鴣（しゃこ）>
<BookPage: 270>
<UsedPage: 1>
<Feature: 1, 2, 4>
<End Header>
<Poem>
暖戲煙蕪錦翼齊，
品流應得近山雞。
雨昏青草湖邊過，
花落黃陵廟裏啼。
遊子乍聞征袖溼，
佳人纔唱翠眉低。
相呼相應湘江闊，
苦竹叢深春日西。
<End Poem>
<Translation>
春の暖かさにさそわれた鷓鴣が、緑にかすむ草原に戯れつつ、美しい翼を斉えて飛ぶ。鳥としての品格を諭ずれば、きっと$あの美しい羽で有名な$錦鶏に迫ることが、充分できよう。春雨が暗く降りしきるなか、$楚の詩人屈原が放浪した$青草湖のうえを$悲しげに鳴きながら湖面にその影をやどしつつ$飛びすぎ、春の花々が散りかかるとき、$湘江に身を投げて死んだ二妃をまつる$黄陵廟のなかで$悲痛に$鳴きしきる。道ゆく遊子は、ふとその声を聞きつけて、$思わず涙で$征衣の袖をぬらすほどであり、宴席の美しい歌妓は、「鷓鴣の詞」を歌いはじめたかと思うや、$早くもうつむいて$その美しい眉をひそめて嘆く始末。互いに呼びかわす鷓鴣の声が、絶え間なくこだまする、湘江の曲がれる岸辺のほとり。苦竹の叢が深々と広がり、春の日も$いつしか$西に傾いて$そのねぐらとなる苦竹の影に沈み$ゆく。
<End Translation>
<Formatted Translation>
春の暖かさにさそわれた鷓鴣が、緑にかすむ草原に戯れつつ、美しい翼を斉えて飛ぶ。
鳥としての品格を諭ずれば、きっと$あの美しい羽で有名な$錦鶏に迫ることが、充分できよう。
春雨が暗く降りしきるなか、$楚の詩人屈原が放浪した$青草湖のうえを$悲しげに鳴きながら湖面にその影をやどしつつ$飛びすぎ、
春の花々が散りかかるとき、$湘江に身を投げて死んだ二妃をまつる$黄陵廟のなかで$悲痛に$鳴きしきる。
道ゆく遊子は、ふとその声を聞きつけて、$思わず涙で$征衣の袖をぬらすほどであり、
宴席の美しい歌妓は、「鷓鴣の詞」を歌いはじめたかと思うや、$早くもうつむいて$その美しい眉をひそめて嘆く始末。
互いに呼びかわす鷓鴣の声が、絶え間なくこだまする、湘江の曲がれる岸辺のほとり。
苦竹の叢が深々と広がり、春の日も$いつしか$西に傾いて$そのねぐらとなる苦竹の影に沈み$ゆく。
<End Formatted Translation>